エレキギターの耳コピのやり方

バンドスコアなどタブ譜がない曲をコピーしたい場合には、耳コピをしなければなりません。

 

はじめに言っておきますが、耳コピというのは、特に慣れない初心者にとっては、コピーする曲を部分的に何度も何度も繰り返し聴き、音を地道に探り当てていく、とても根気のいる作業です。

 

しかし、ただ闇雲に音を探り当てるという方法は、あまり音楽的ではなく、賢いやり方ではないでしょう。ここでは、コード譜を元に、フレーズをいくつかのパターンに分けて耳コピしていくというスタイルをご紹介していきたいと思います。

 

耳コピをすることで、音楽を聴く耳が養われるとともに、フレーズのパターンの理解が深まったり、音楽的な知識を習得でき、とてもとても勉強にもなりますので、普段はタブ譜を頼りにしている方も、これを機にぜひともチャレンジしてみましょう。また、耳コピを快適に行うための便利な道具についてもお伝えしますので、参考にしてみてください。

 

入手したコード譜をもとに耳コピ

音源を元にいきなり耳コピを始めようとすると、慣れないうちは、ゼロから音を探らなければならないため、耳コピの作業が大変です。特に、テンションコードといった複雑なコードを聞き取るのは簡単ではありません。

 

そこで、耳コピを楽に行うために、その曲のコード譜を手に入れます。コード譜は、「曲名 コード譜」でインタネットを検索すれば、たいていの曲はヒットしますので、サクッと入手してしまいましょう。

 

コード譜を元にエレキギターの音を探る

一度に曲全体をコピーしようとしても上手くいきません。1パート1パート音源をよく聴きコツコツと耳コピしていきます。

 

耳コピするパートのエレキギターが、パワーコードなのか、コードなのか、アルペジオなのか、メロディーなのかといった、ザックリしたことから把握していきましょう。

パワーコードの耳コピ

コード譜が手に入れば、普段弾くことの多いパワーコードの音は、すぐに耳コピすることができます。

 

例えば、コードが「A」の場合、指板上からA(ラ)の音を探し、それをルート音として完全5度上の音を足した「パワーコード」を弾けば基本的にはOKです。実際の曲を聴いて音の高さ(オクターブ)が同じになるポジションやリズムを探りましょう。

 

更に、ロック系の音楽の場合は、これにブリッジミュートが絡んでくることも多いですが、これは曲をよく聴けば判断できるでしょう。

 

 

また、パワーコードと思っても、音源をよく弾いみると、響き方が違うことがあります。こうしたケースでは、ルート音に足す音を、完全5度ではない別の音に変えてみると、しっくりくる音が見つかることがあります。

コード弾きの耳コピ

コード譜があるので、コード弾きは耳コピしやすいと思いがちですが、同じコードでも様々なポジションがあったり、変わった響かせ方をしている場合があったりと、実際に耳コピしてみると音源の音と合わず意外と苦戦します。

 

まずは、どの辺りのポジションでコードを弾いているのかを、音源と弾き比べながら把握していきます。音の高低が分かった時点で、響き方が一致すればよいのですが、多くの曲はそうもいきません。

 

例えば、コードは弾いているけど、高音弦(1〜3弦付近)だけを弾いていることがあります。この場合、ベーシックなコードとは押さえ方が違うことがあるので、先ほど把握したポジション付近のフレットで和音を作ってみましょう。コードがCならその構成音である「ド・ミ・ソ」を指板上から探して押さえます。響きが一致するまで様々なパターンを作り弾いてみましょう。

 

また、コードをベースにしつつも、ややメロディックに弾いていることもありますが、この場合は、1〜3弦あたりの音を動かしていることが多いかと思います。音源から動いている音だけを耳コピしたらい、それをコードと合体させましょう。

 

コード弾きの場合は、これにカッティングなどで、ブラッシング・ミュートが絡んでくることも多いですが、これは音源を聴けば分かるでしょう。

 

曲にもよりますが、コード弾きを耳コピで完コピしようとすることは、とても大変な作業です。しかし、自分で色々なコードの押さえ方・パターンを作れるようにもなるため、アドリブや音楽を作っていくときに、この経験がとても活きてきます。

アルペジオの耳コピ

アルペジオは、コードの音を1音1音弾いていく奏法なので、基本的にはコード同様、どの辺りのポジションで弾いているか把握し、そのうえで弾く音を順番に探り当てていくことで耳コピができます。

 

ただし、実際の曲では、アルペジオっぽく弾いていても、純粋にコードの構成音だけを弾いているとも限りません。結局、音源をよく聴いて音を探り当てていくわけですが、こういったケースでは、コードが変わってもポジション(フレット)が左右に大きく動かずに、近い位置で弾き続けていることが多いです。1コード分のアルペジオが耳コピ出来たら、次のコードでのアルペジオもその周辺のフレットを使って組み立ててみましょう。

メロディーの耳コピ

イントロ、アウトロ、ギターソロ、間奏といった部分では、エレキギターでメロディーを弾くことが多々あります。メロディーの場合、基本的には単音弾きなので、印象的で歌えるようなフレーズであれば、比較的耳コピは簡単かもしれません。音程を指板上で探して、スライドやチョーキング、ハンマリングやプリングなどの奏法を駆使して、音源の雰囲気に近づけていきましょう。

 

しかし、速いフレーズであったり、それほど耳に残らないような歌いにくいメロディーを耳コピするときには、単音であっても意外と苦戦します。こういったときには、音を探すときに、曲のキー(調)やスケール(音階)を意識することで、音を見つけやすく、耳コピが格段に楽になります。スケールには様々なスケールがありますが、まずは、メジャーキー、マイナーキーと3つのマイナースケール、ペンタトニック、ブルーススケールあたりを知っておくとよいでしょう。

 

キーについては『キー(調)とは?メジャーキーとマイナーキー』を、3つのマイナースケールについては『ギタースケール・マイナースケールが3つある理由とは?』も参考にしてみてください。

 

それでも音の把握が難しい場合が多々ありますので、後述する「耳コピを快適に行うための便利な道具」を参照してください。

 

 

また、メロディーでも単音とは違った力強いサウンドがする場合があります。これは、1オクターブ上の音を足したオクターブ奏法である可能性が高いです。オクターブ奏法を弾いたことがあれば、聴き取ることができるかと思います。音程の把握は簡単なので、スライドやグリッサンドといった奏法を上手く絡めて、音源の雰囲気を作り出しましょう。

耳コピを快適に行うための便利な道具

音を聴きとりやすくするために、環境も整えることで、より快適に耳コピが行えるようになります。
ここでは、ヘッドフォンの使用と、音源のテンポを遅くできるソフトを使うことを推奨します。

ヘッドフォンを使う理由と推奨タイプ

耳コピをするためには、音をダイレクトに耳に伝える必要があります。実際に耳コピを行ってみれば分かりますが、スピーカーなどで聴くとギターの音が聴き取りにくいことがあります。そこで、耳を密閉して音をダイレクトに伝えてくれるヘッドフォンは、耳コピには最適な道具になります。

 

ただ、ヘッドフォンの中には重低音を強調したような特定の周波数に特化したものがあります。エレキギターの音というのは、中音域がメインになるため、これでは聴き取りづらいです。エレキギターの音を耳コピするときには、フラットな特性のヘッドフォンを使うと、快適に耳コピを行うことができます。

音源のテンポを遅くできるソフト

音のキーをを変えずに純粋にテンポだけを遅くしてくれるソフトは、特に速いフレーズや聞き取りにくいフレーズを耳コピするときに重宝します。筆者は、CUBASEというDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)を使用しています。

 

そもそもDAWというのは、パソコン上で、打ち込み、レコーディング、ミキシングなどを行うための作曲ソフトなのですが、音源を取り込むことで様々な編集を行うことができます。
テンポを遅くすることはもちろんですが、一例として挙げると、以下のようなことも出来てしまうので、耳コピが格段に楽になります。

  • 耳コピしたい一部分だけを繰り返し再生できる
  • 左右のチャンネルの片側だけを再生し、耳コピしたいパートが入っているチャンネルだけの音を聴くことができる
  • イコライザーなどで、エレキギターが目立つ中音域以外をカットすることができる

 

DAWソフトもメーカーのものがありますが、どれも機能的には同じようなものなので、”操作慣れ”が重要になると思います。CUBASEは利用者が多いので、操作で困ったらネット検索すれば、大概のことは分かるのでおすすめです。耳コピ音源の具体的な作り方については『耳コピしやすいようDAWでエレキギター以外の音を削除する方法』で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

 

CUBASEの場合、グレードによって価格が違いますが、耳コピするためだけに関していえば、一番安いものでも十分です。作曲などでも利用したいのであれば、機能面を考慮してグレードを選びましょう。


耳コピできないフレーズの対処

何を弾いているのかよく分からず、どうしても耳コピできないという場合には、目コピするかアレンジして対処しましょう。

目コピのやり方

目コピというのは、耳コピしたい曲のアーティストのライブ映像などを観て、運指を目でみてコピーするといった方法です。耳コピだけでは分からない、そのギタリストの実際の指の使い方を学ぶことができます。たとえば、「5弦、6弦は親指で押さえている」といったことや「ピックだけでなくフィンガーピッキングもしている」などは、目コピすることで分かります。

 

ただ、目コピした部分でカメラがギタリスト向いているとも限らず、また、見たい指が映っていないといったことがあるので、いくつかの映像をYOUTUBEなどで探し周ることになります。

 

また、一般の方が投稿している”ギターを弾いてみた”動画であれば、ほとんどはカメラが常にギターを向いているので、目コピしやすいです。正確にフレーズをコピーできている信頼できそうな動画を見つけることができれば、たいへん参考になります。

コピーできないフレーズはアレンジする

どうしても耳コピできないフレーズや、そもそも実力の問題で弾けないフレーズは、コピーせずにアレンジしてしまいましょう。

 

バッキングであれば、コードの構成音をリズムに合わせて弾けば、音を外すことはありません。ギターソロなどの場合は、スケール(音階)に沿った音を弾いていれば音を大きく外すことはありませんが、カッコ良くキメルためにはフレーズをじっくりと作り込みましょう。

最後に

コード譜をもとに耳コピするというやり方を行うことで、コードやコード進行の中での「相対的な音の使い方や響き方」を学ぶことができます。

 

こうして耳コピで得た経験・引き出しは、次に耳コピするとき、作曲でフレーズを作るときに、大いに役立ちます。
はじめのうちは、単純に音を探すという作業であったものが、徐々に、「あのフレーズと同じ響き」と自分の引き出しから取り出す作業へと変わっていきます。これは相対的に音を感じ取っていなければ出来ないことです。

 

耳コピは相対的に音を捉える良いトレーニングになるので、ぜひぜひたくさんの曲を耳コピして経験を積んでみてください。

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