フェイザーとフランジャーの違いは周波数を変化させるフィルター

フェイザーとフランジャーのサウンドは、違いが分かるように設定すると、フェイザーの方が爽やかなサウンドで、フランジャーの方が激しい音の変化をします。
しかし、、いずれも「うねり」サウンドであるため、エフェクターの設定によっては、似たサウンドとなり、その違いが分かりにくいでしょう。

 

フェイザーとフランジャーの違いは、一言で言ってしまえば、周波数を変化させるフィルターが異なるということになります。このフィルターは、フェイザーは位相をズラし、フランジャーはディレイ音を使って作り出しています。ここでは、それぞれの原理について理解を深めることで、双方のエフェクターのフィルターの違いを紐説いていきましょう。
フェイザーとフランジャーの違い

フェイザーのサウンドの原理とフィルターの特徴

フェイザーの音を作りだす「位相」

フェイザーは「位相(フェイズ)」を変化させた音と原音をミックスして音を作り出しています。ここがフランジャーとの大きな違いになります。そのため、まずはこの「位相」について理解しなければなりません。
エレキギターを続けていく中で、フェイザーに限らず、「位相」という言葉が登場することがあるので、言葉の意味が分からない方は、ここで位相について理解しておくとよいでしょう。

 

そもそも位相というのは、物理の世界では、「ある周期的な運動をするもので一周期内のどのタイミングにいるのかを示す量」を表すものとされています。
少し分かりづらいですね。時計の秒針を想像してみてください。時計の秒針は0〜60秒で一周し、ぐるぐると常に一定の動きをしていますね。これが位相でいうところの周期的な運動」にあたります。
ある秒針の位置から、現在秒針が指している場所との違いを数値的に示したものが位相です。もし基準となる秒針を12時とした場合、現在の秒針が6時を指していた場合は、180度の違いがあり、最も位相がずれている状態ということになります。また秒針が一周(360度)していれば、基準となる秒針と完全に一致し、位相にズレがない状態ということになります。

 

これをエレキギターの音に置き換えて考えていきます。そもそも、音というのは無数の周波数(Hz)の集合体で成り立っています。実は、Hzという単位は、1秒間に何回振動するか表したものです。例えば、500Hzという帯域であれば、1秒間に500回の振動を繰り返しているということになります。この500回のうち1回の振動の波が「秒針」にあたります。この振動の波(=原音)にもう一つの波を加えると、波同士の差が位相ということになります。原音に対して位相をズラした音の波を図にすると以下のようになります。
原音と位相の波形の違い

 

ここままの図の場合、単順に2つの音が鳴っているに過ぎず、フェイザーサウンドにはなりません。位相をずらした音と原音をミックスすることで1つの新たな振動の波が作り出すのです。

フェイザーの原音と位相をズラした音のミックス音

ここで、原音と位相をズラした音をミックスするとどのような音が作られるのかを説明します。
逆位相の波形
ミックスのイメージを理解するために、上記のような位相関係について説明します。この図では、原音と位相をずらした音が、中央の線を軸に、上下が対象的な波になっています(これを逆位相といいます)。逆位相の波を作り出しミックスしたとすると音同士が打ち消しあって無音になります。この状態は、先ほどの時計の秒針の例えの中では、針が6時を指した180度の状態と同じです。反対に、全く同じ波形をミックスすると、振動の幅(=音量)は2倍になります。秒針の例では、秒針が12時を指している0度や360度の状態と同じです。

 

ここまでは、1つ周波数の中の話ですが、音には他にも無数の周波数がありますから、それぞれの周波数でも位相となる波を作ります。

パスフィルターで各周波数で位相の変化量を変える

オールパスフィルター
フェイザーでは、それぞれの周波数で位相の変化量を変える「オールパスフィルター」という回路を通します。上の図はオールパスフィルターを表したもので、縦軸を位相の変化量、横軸を周波数としています。この場合、周波数が低い帯域では位相のズレが大きく、周波数が高い帯域にいくほど位相のズレが小さくなっていきます。変化量がない部分を0度とすると、ここが2倍の音量となる帯域、最も変化量が多い部分を180度とすると、ここが無音となる帯域となります。

 

フェイザーは、一般的に、このオールパスフィルターを偶数段重ねます。2〜12段が一般的です。次の図は4段重ねた場合の周波数の変化を表したものです。位相は、1段で最大180度違ったので、4段積み重ねた場合は180度×4で最大720度違うことになります。
フェイザーとフランジャーの違い
これを元に周波数ごとの音量の増加量の関係を図にすると、上記図(下)のようになります。このように、くし型になるフィルターのことを「コムフィルター」と呼びます。180度と540度の2つの部分が逆位相となるため、無音になっていることが分かると思います。
これが6段、8段、12段になれば無音となる周波数は、それぞれ3箇所、4箇所、6箇所と増えていくことになります。

フェイザーのうねりの正体はLFO

しかし、このままでは、イコライザーとあまり変わりありません。そこで、フェイザーでは、人間には聞こえない超低域の周波数を発振するLFOとよばれる発振器を使います。この使うことによって、ビブラートのように微妙な音程の変化を与えることができるのです。LFOによって、下図の矢印のように、コムフィルターの波形を周期的に動かし、フェイザーサウンドのうねりが生まれます。これがツマミにあるRATEやDEPTHの正体です。
フェイザーのうねりはLFO
ここまでがフェイザーの原理ですが、実は、ディレイ音をミックスすることでも、コムフィルターを作ることができます。つまり、フランジャーにもコムフィルターが存在するということです。しかし、ここまで理解できれば、フランジャーも理解しやすいです。

フランジャーの原理とフィルター

次の図はある周波数の原音とディレイ音の波を表したものですが、先ほど位相をズラしたときの図とよく似ていることに気付くでしょう。
ディレイ音と原音
これをそれぞれの周波数でも、同じ時間ズラしていくと、次のようなコムフィルターが出来上がります。これがフランジャーのコムフィルターです。
フランジャーのコムフィルター
ディレイタイムを変えることで、コムフィルターで最初に無音になる箇所が変わります。ディレイタイムを長く設定すれば低い周波数、短くすると高い周波数で無音となります。これが、ディレイタイムを変更することで、フランジャーのかかり具合を変えることができる仕掛けです。

フランジャーのうねりの正体

フランジャーの場合も、フェイザーと同様LFOを使い、うねりを発生させています。また、ディレイタイムを固定せずに、周期的に変更させれば、無音となる周波数が変わるので、この方法でうねりを発生させているフランジャーもあります。

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